鉄の話 身近でありながら意外と知らない鉄の事
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鋼材とは

鉄骨建築に使う鋼材は日本工業規格製品(JIS)という厳しい品質管理のもとで生産されるため、製品の成分、サイズ、強度などほとんどバラツキがありません。反対に木材(集成材除く)は自然素材のため1本として同じものはありませんし、コンクリートもその成分であるセメント、砂、砂利の分量、打設時の気温、湿度、養生方法により大きく左右されます。その点では鋼材は信頼性が高い素材といえます。

鉄骨造のデメリット 当然鉄にも弱点はあります。良い事ばかりであれば、みんな鉄骨造になっているでしょう。要は使い分けが必要という事なのです。

1.全ての建築材料には弱点があり、木材は腐り、コンクリートは中性化による強度低下、鉄は錆びます。しかし現在ではそれぞれに対処方法があり、適切な予防をやればほとんど問題ありません。ちなみに鉄骨は錆止塗装や溶融亜鉛メッキ処理などを行ないます。一般住宅においては重量鉄骨で適切な防錆処理を施せば耐用年数100年は十分可能です。

2.木造住宅2階建てで構造計算はいりませんが、鉄骨造では2階建てになると構造計算というのが必要になります。構造計算とは何かというと、簡単に言えば、『この建物は現在の建築基準法上で構造的に成り立っていますよ』という証明です。申請時に木造では簡易的に処理されている事が鉄骨造ではとても厳しく審査されます。その分費用面から言えば、木造(3階建て以上を除く)では発生しない構造計算の費用が発生しますが、地震がどこで起きてもおかしくない昨今では、きちんと計算された建物に住んでいるという事はとても安心出来る事ではないでしょうか。この点はデメリットでありながら、メリットでもあると考えることが出来ます。

3.重量鉄骨造になると当然骨組自体の重量が木造住宅に比べると重たいので基礎にかかる荷重も大きくなります。ですから当然基礎もしっかりしたものを造らないといけません。ということはその分費用も掛かります。でもその分しっかりした物が出来るわけで決して損するということではありません。

4.
構造材が不燃物なので火事に強いと誤解されるが、鉄骨は摂氏550℃程度で急激に強度が失われるので、消火に手間取ると一気に建物が倒壊する危険性を持っている。木造は火事に弱いと考えられているが、火で焼かれても柱の表面が炭化するのみで内部まで完全に燃えるには長時間かかるので、短時間に建物全体が崩壊するというケースは少ない。このため鋼材には耐火被覆を施すのが一般的である。

5.材料強度は高いため、コンクリートや木質材料と比較すると断面を小さくすることが出来るが、座屈という現象が無視できなくなる。

6.水分に触れると錆びやすいため、外部や水周りに用いる場合は、防錆処理を施すのが一般的である。

鉄骨造のメリット 最終的にはデメリットよりもメリットの方が多いかどうかで決まると思います。
1.重量鉄骨構造では、荷重を最終的に受けるのは柱だけになります。それ以外の間仕切りには力が掛かりません、そのため 外壁には大きな開口部を設けることが可能であり、室内の間仕切壁も自由に取り外しできます。そのためライフスタイルに応じた間取りの変更が可能です。逆に木造住宅となると柱が多く、柱と仕上材が一体になっているため間取りの変更にも限りがあります。

2.地震に強いです。構造計算をしなくてはならないので必ず強度がとれた設計となっています。鉄という特性上、鉄骨住宅は地震のとき揺れます。しかし揺れることによってエネルギーを吸収しているのです。鉄骨の場合いっきに崩れることはないので安全面でも有利かと思います。

3.法定耐用年数が木造に比べて長いので住宅ローンの返済期間が長い、火災保険料が安くなる。(詳しくは借入れされる金融機関などにお問い合わせください。)

4.木材に比べ強度が高く、鉄筋コンクリートに比べ単位重量が軽いことから長い梁に利用でき、柱のスパンが広く、柱の本数も少なくてすむ。

5.
ラーメン構造の場合は耐力壁が不要なので間取りの自由度が高く、リフォームも容易である。ただし、H形鋼の柱は弱軸方向に筋違いを配置する必要がある。

6.
重量鉄骨ラーメン構造では鉄骨は工場生産され、現地では組立作業のみとなるので、現場接合部の管理をするだけで建物の構造的品質を一定に保ちやすい。

7.
トラス構造の場合、構造的な安定度が極めて高いので、体育館の屋根や鉄橋など、他の構造では不可能な長大スパンを実現できる。

8.
材質が均一である。

9.
工期が短い。

10.
変形能力が大きいため、大地震時における骨組みのエネルギー吸収能力が大きい。

11.建物を解体する場合、鉄が有価物であるため、解体コスト削減を期待できる。
重量鉄骨と軽量鉄骨の違い   鉄って重たいのに軽量?重量?
重量鉄骨:厚さが6ミリ以上の鋼材。製鋼所で熱間圧延加工により製造される。主としてラーメン構造、トラス構造に用いられる。
軽量鉄骨:厚さが6ミリ未満の鋼材。重量鉄骨と同様に熱間圧延加工により製造される場合もあるが、多くは鋼板を冷間圧延加工して製造される。主としてブレース構造に利用される。
高炉材とは?電炉材とは?
高炉材:鉄鉱石を原料に製鋼された材料を示す。工程に高炉を用いるため、このように呼ばれる。高炉材は不純物混入をコントロールしやすいため、溶接性や塑性変形能力に優れた鋼材を作りやすい。このため、鉄骨構造の主要架構には高炉材を用いることが多い。
電炉材:スクラップ鉄を原料に製鋼された材料を示す。工程で、スクラップ鉄を溶かす際に電気炉を用いることからこのように呼ばれる。高炉材に比べて製鋼に必要なエネルギーが少なく、コストも安い利点がある。しかし、不純物の蓄積(トラップエレメント)の問題があるため、高炉材と比較すると塑性変形能力が小さく、脆い破壊を示しやすい。小型形鋼や異形鉄筋のほとんどは電炉材である。
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