市内神田に、観音像とカブカブ獅子で知られている飯田観音堂があります。唐津神社の秋季例大祭「からつくんち」に奉納されるのが、この神田のカブガフ獅子です。
カブカブ獅子は、雌雄一対で、雄獅子は角が1本で耳まで含めた幅が80cm、角までの高さは58cmあります。雌獅子は、角が左右に1本づつ2本付いており、幅82cm、高さ52cmと雄に比べて一回り小降りです。
獅子は木造漆塗りで全体に濃い緑色をしていますが、口と内側は朱色、角と目と歯は金色に塗り分けられています。
このカブカブ獅子は享和2年(1802年)、神田村の大工又蔵が自分の腕だめしにと一心に彫りあげ飯田観音堂に奉納したといわれています。又蔵43歳の作りであることが獅子に刻まれた銘によってわかります。
獅子の頭をかぶって行う獅子舞は、唐から伝わり舞楽として奉納していたが、後世、神楽などで五穀豊穣の祈とう、悪魔払いとして行われるようになりました。
からつくんちでは、11月3日、神田地区の若者に担がれたカブガフ獅子が、午前5時神社に参拝して獅子舞を奉納し、その後二手に分かれて神田地区の家を回り最後に飯田観音堂に落ち合います。
明治初期ころまでは、神田のほかにも町田、菜畑、二夕子、江川町、京町などのカブカブ獅子が神祭の折、みこしの前後に従っていたそうです。
神田のカブカブ獅子が製作された享和2年は、刀町の赤獅子が作られた文政2年(1819年)より17年前です。そして雄獅子の方は、耳、目、鼻などや後ろに頭髪を垂れているところまで中町の青獅子にそっくりで、中町の青獅子が神田のカブカブ獅子を模して作られたという説もあります。
また、民俗文化財として極めて価値が高く、昭和60年1月24日に市の重要有形民俗文化財に指定されました。