words

home page


証 足跡 歩く 暗示 生贄 居心地 井戸 因果 いいかげん 言ってチョウダイ インターネット 嘘 嘘 海原や何の苦もなく上る月 駅 F エントロピー お金 おつかい


カエル 掛時計 鞄 カラス ギター 狂気 きれい 九九 くせ けつい 黒鉛工場 孤独の再生産 孤独の発情


鯖の味噌煮 さよなら サラマンダー 残虐の爪が肉を刻む 耳孔 酒精中毒者の夜 新のつく駅 自転車吐息 シャガール ジャンプ シルシ 将来 人生ドットコム SEX 青春 戦闘的カナリア そうしてみたい 即死 ゾンビ顔の女


ダイブ 対流説 断崖 精子の遊泳 タンポポ 月に雁 月夜 土の匂い どうしようもないわたしが歩いてゐる どうぞ 逃避の世界 ドッペルゲンガー


「ない」 夏の記憶 生身 泪歌 ネットクラゲ ノコギリギター ノスタルジア ノート1


π 廃虚ドットコム 発音 パセリ・コスモス パック詰め パン バンドジンセイ 秘訣 武器商人 双子の映画 +- 変身 亡霊山脈 ボクタチハミタ


まどろむ 無限階段 難しい 目 モウパラ 森の現実


やさしい 闇夜 夜


リサという名の女 リンク


分け入っても分け入っても青い山」

top

home page




君に僕が必要だという幻想は
路地裏のこそこそ猫みたいで
そうなんだ
僕は僕で僕のように
でくのぼうのように
生きていること

君の願いをくみとれる幻想は
砂漠で水巻く人の様で
そうなんだ
僕は僕で僕のように
でくのぼうのように
生きていること


足跡
波が君の足跡
消した
そのとき
さびしかったよ 

歩く
「約束は破るためにあるんだ」と云った映画を観た
南風が吹き 心が冷えた
うごめく人間の後ろ姿を追いかける僕は
とどかない僕の後ろ姿
現象の夏は モルジブの海
大陸移動した隙間に
僕は抜け殻の天文ショウ
カッコつけても死ねば平等の暗黒
這いずりの亡者とディープキス
信じるときに裏切られ
裏切られたときに
裸の自分を知る
けして好きでもない自分の等身大モデル
路地裏の人生をさらけだして
ユリの花の匂いを嗅ぐ
「愛あるSEXをしたのか」と問う映画を観た
川原の土手の自殺現場を歩く

暗示
屍を運びし蟻は
門出の日の
一尺八寸の鹿恋(かこい)女郎に
踏まれて死んだ
母に貰いし天眼鏡で
お天道様を集光し
それら骸を
燃やして消した
煙の色の白濁の
焦げた臭いが鼻をつき
手相見の不吉な言葉を
暗示した

生贄
 情事のはてに
 生贄になる
 
 生贄となり
 永遠の魂を持つ

居心地
居心地の悪い布団で安楽な夢見て
居心地の良い椅子で死刑を執行される

井戸
生きてると思っていたよ
思いこんでいたよ
もう10年の前に
死んでいたのに
亡霊をまとって
生きていると思っていたよ
闇の中でもがきながら
ときどき漏れくる
月明かりに照らされる
自分の姿を
本物と勘違いしていたよ
そう
ボクは井戸に落ちていたのさ
もう
井戸の蓋が塞がれて10年たつのだ
風鈴の音が聞こえたよ
マボロシのキミの声が聞こえたよ
幻想の積み木バスは
ボクの少年期の長屋の前を通るよ
哀しみを半分だけ理解して
無賃乗車のボクの風景はつくりものだよ
踏みつぶした虫の数だけ幸せで
摘み折った花の数がボクの勲章だよ
生きた証の残骸をロープで結んで
引き摺りながら歩いているよ
引き摺りながらの死人のようで
井戸の壁にそって歩いているだけだよ
過去の瓦礫を引き摺って
同じところを歩いているだけだよ

因果
因果の果てに流された
小舟の少女は月のもと
草叢の蓄音機のSP盤
ワルツ響かせ亡霊の声
「罪を教えて下さいな」
「罰を与えて下さいな」

いいかげん
いいかげんに酔って
いいかげんなことをする
酔っているから許される
そんなぎりぎりまで
計算高いこの僕は
相手の顔を横目でうかがい
相も変わらず
いいかげん
勝負は
女は泣いたほうが勝ち
男は大声だしたが勝ち
酒を飲んでくだまいて
強がって
どうせ、家に帰れば
借りてきた猫みたいに
背中丸めて寝るだけさ

言ってチョウダイ
「愛してる」
女はベッドで片ひざ立てて
煙草吸いながら
アンダーヘアーを見せて言う
外は青空
気分はハーモニカ
無理やり
TOTOを聴かされて
げっそりの台風一過
「奴隷にして」
女はあくびしながらよそ見して
ピアス刺しながら
うなじを見せて言う
外は大雨
気分はアンコウ
無理やり
オザワを聴かされて
幻滅の梅雨のカミナリ

インターネット
「僕と君は
インターネットが
1本の回線で
繋がってるように
つながってるんだよね」
でも・・・
「君をみる
ブラウザがないんだ」
「僕と君は
インターネットが
1本の回線で
繋がってるように
つながってるんだよね」
でも・・・
「君を捜す
検索方法がないんだ」


「嘘は一つじゃ
 すぐばれる
 嘘がかたまりになったとき
 真実になるんだ」
 耳元でささやく白頭がいる。
 今日のディナーはレアな肉で
 添えられた骨みたいなアスパラ
 首領にはネズミが目障りで
 踏み潰す機会を狙ってる。
 暗黒の雲が地球を覆ってしまった。
「これじゃ地上が見えない」と
 神様も嘆いていた。


「TVドラマの終わりは・・・」
「ハッピーエンドとはかぎらないよね」と
 君は言う
「ドラマの最終回・・・」
「観たことないな」と
 嘘をつく

海原や何の苦もなく上る月
正岡子規の寒山落木から
 ここでは、海と月が対峙してます。海は多分、人間社会のいろいろなこと、その中でも(悩みや病気や苦労など)苦難の対象として表現しているように思います。しかし、月は、その苦難の海原から苦もなく、ひょうひょうと現れて、空へ上っていきます。そのようにならない自分の月へのあこがれを表現してるように思います。

 
 北風に向かって歩く君の
 後ろ姿は
 たよりなく
 手をさしのべたくなる
 その時は君はすでに
 風景と溶け込みながら
 薄れていき
 僕の手にはとどかない
 夜の電車の車窓から
 風景を見るとき
 ガラスにぼんやり映る
 自分の疲れた顔が
 寂れた駅のプレートと
 重なりながら流れてゆく
 乗客が目的の駅で
 降りる姿にジェラシーを感じ
 自分のキップを握りしめ
 降りるべき駅を確かめる


「CP」
CP
前にして
二人で笑う
「目」
輝く
目をキミは
まだ持つ
「母」
Fの母が
コップに林檎
ジュース
「ギター」
アル中の
震える手で
ギター弾く
「曲」
僕の詩に
Fがギターで曲
つけてくれた

エントロピー
 僕のエントロピーはかなり
 減少気味で
 あまり、後がなさそうです
 ハイな僕から
 ロウな僕へ
 いつ果てることなく
 熱は移動して
 ロウな僕は
 ブラックホールなみに
 食い尽くすのです
 口のまわりを
 ケチャップとマヨネーズだらけにした
 僕はニンマリして
 さらに愛のない食事を要求するのです
 満足の十倍不満足で
 不幸の十倍幸福で
 ちぐはぐにボタンをはめ
 風に向かって奇妙な音程で
 歌うのです

お金
偽物のお金で偽物の夢を買い
本物のお金で本物の銃を買う

おつかい
100円玉5枚にぎりしめて
おつかいに行きました
ゆびのすきまから、100円玉が
1枚ころげ落ちて
みぞのふたのすきまから
落ちてしまいました
もう暗くなりかけた中を
ふたをようやく開けて
100円玉を見つけて
とりだしたとき
とっても幸福でした
おつかいがおくれて
おこられたこといがいは
とっても幸福でした

top

home page



カウント
不幸をカウントするより
全人生から幸福を引き去るほうがましだと
集合論のようなことを言う

カエル
カエルにはへそがない
どうやって
お腹の真ん中
 見つけるんだろう

掛時計
「たいくつだから ヒト 殺すのさ」
こともなげに
表情も変えずに君は言った。
 僕の窓から見える風景は1年中変わらないように感じる。雨に日でも風の日でも雪のでも・・・。
 「クソみたいな音楽聴いている日本人多いけど、それもいいでしょう」
 2年かかって、僕は壁掛時計を設置した。
 いつも不便にゆがんだ位置に置いていた時計は、それでも正確に動いていた。
「どうして傭兵になろうと思ったの」
「たいくつだからさ ヒト殺して金もらえるから」
「日本人 生きていないね
日本に戻るたびに そう思う
くたびれて 若いやつほど 年寄り臭くて」
「憲法9条は国の戦争認めてないのでしょ
僕は戦争するけど
僕は国じゃないから
まあ 国民だけど」
「僕の仕事 戦争です」
「バッバッバッバッバッバッ・・・て
撃ちまくるんです
一番 僕が殺している奴
教えましょうか」
「それって 僕の影です
アッハッハ・・・ カッコ悪いです」
僕は生きている人々のぬくもりを感じない。
僕は死んでる人々の冷たさも感じない。
窓から見えるはず四季はカーテンで閉ざしているから
見えているなどと言っても
想像しかありません。
インディアン人形の首がとれて
もう10年ほったらかしです。
整理しかけの写真は
20年手付かずです。
「たいくつだから 自殺 しよう」
君はそう言い残して 
僕の部屋を出た。
もう、1年連絡はない。
「君は死んでしまったのか」
壁掛時計 動いています。


耳を押さえて
遮断されたゴスペル
眼を押さえて
遮断されたアイドル
心の闇を鞄に詰めて
旅に出る
この鞄を開ける日は
いつ来るのだろうか

カラス
びんぼうー
びんぼうー
喰えない
喰えない
夢がとばりに隠れ
大きな船が遠くに見える
びんぼうー
びんぼうー
喰えない
喰えない
殺風景な部屋にバラ
牛乳こぼして
床の牛乳舐める
びんぼうー
びんぼうー
喰えない
喰えない
希望が沈み
イカダが崩れた
殺風景な心に
精子の遊泳
酸で殺す
びんぼうー
びんぼうー
喰えない
喰えない
僕はカラスの餌食
カラスのフンは空中に舞い
僕は地面で腐乱のエクスタシー

ギター
アル中の
震える手で
ギター弾く


狂気
千年狂気の晩餐に
あなたは何を喰うという
欲望のガムを
噛み続けた僕は
ぼろぼろの身体を
処女の泉にひたす
ガラス破片の湯船
キレギレの皮膚は
出血の恍惚
かすかに聞こえる
慟哭の愚姉の音
バラバラ家族の
視線の彷徨
姦通の匂い

きれい
「きれい」の「き」を
 右はしにもってくると
「れいき」になります
「きれい」の「い」を
 左はしにもってくると
「いきれ」になります

九九
 九九が覚えられなくて
 母の愛人の車の後部座席で
 おまじないのように唱えていた
 九九が覚えられなくて
 朝ご飯 食べる前に
 おまじないのように唱えていた
 九九が覚えられなくて
 跳び箱 跳びながら
 おまじないのように唱えていた
 九九が覚えられなくて
 覚えたすぐから忘れそうで
 おまじないのように唱えていた

くせ
君が缶ジュースの縁を
ティッシュでふいたとき
「ごめんなさい。これ、くせなの」
と言ったこと
昨日のように覚えてる

けつい
どうしてしなかったの
どうしてもできなかった

黒鉛工場
黒鉛工場のトロッコはブレーキが壊れたまま
放置されていた
僕は手袋をしたまま
ポケットのボーキサイトを握りしめる
工場の天井から吊り下げられた鎖の先端から
大型フックがぶらさがり
僕は恐怖する
白衣の女は後ろ向きで鎌を研ぐ
粘着性の床に僕は踵から溶け込むような錯覚

持病のメニエルで倒れ込みそうになる
「キミの遺言は聞いたよ」
「確かに夕陽はX病院の屋根で60度に切り取られていた」
「キミは真実を伝えていた」
・・・
ただ・・・
僕がそのその事実を知るのが遅すぎた
そうなんだ、もっと早く読むべき本を
後になって読むようなもの
僕は黒鉛工場の存在も知らないまま
時間が過ぎるまま
腐乱していくのだろう
僕はあのトロッコで地獄の底へ運ばれる
キミの真実をブレーキの利かないトロッコで
反芻しながら

孤独の再生産
かわいいだけで
ほれて
中身がないから捨てていく
頭がいいだけで
ほれて
冷たくされて離れていく
金持ちだけで
ほれて
自分が腐れていく
普通だけで
ほれて
普通に別れていく
僕は孤独を売りものして
売れてしまえば
孤独を再生産する

孤独の発情
 いいかげんな奴ばかりと
 いいかげんな僕が叫ぶ
 都会のエスカレーターの左寄りを
 なんとか理解して
 むずがゆく 左側に存在する
 右行く人をうらやましくながめ
 さかりのついた雌犬の
 ミニスカートの足を見る
 孤独に発情し
 見知らぬ街の真ん中で
 ションベンちびって
 昼寝する

top

home page



鯖の味噌煮
鯖の味噌煮を食べながら
この鯖は自分が味噌煮となることを
考えたろうかと
考えた

さよなら
餞別の気持ちはあるのだが
駅の特急列車は
容赦ない時間の口減らし
最後の別れの指先が
虚しく空中に
浮遊するとき
丁度10時30分
君との恋の想い出は
軽やかな籐製の鞄に
無理やり詰込んで
少しずつ砂時計みたいに
こぼれゆく
ちがうことは
ひっくり返しても
もどらないこと
道すがら
僕は駅からこぼしている
紅雀色の粉を振り返って
妙に 泪がにじみ
ぼやけた風景にとまどう
さよならは似合わないから
グッド・バイ
思い直して
さよなら

サラマンダー
 体調が不良のうえに、精神的にウツな感じである。ウツな感じは5月の初旬からあって、その上、東京の夜からメニエル病が出て気分が悪い。さらに背中の痛みが、再発している。
 煙の上がった方向が爆撃された地域なのか
 そこに住んでいて婆さんは元気でいるのか
 路上にたたずむ少年はサッカーの夢を見る
 『僕は叫ぶ』
 初夜は暗闇の砲撃のえじき
 吹き飛ばされた家屋の残骸
 混じる身体の切れ端
 結ばれたのは虚ろな血露
 希望の足首はレンガの瓦礫
 粉砕の頭蓋骨は蟻地獄の入り口
 糖蜜を喰らうサラマンダー
 干からびたスポンジの欲望
 快楽の絶叫の反芻と嗚咽
 無償の愛は鳥葬の捧げ物
 バッカスの饗宴は悦楽の
 カニバリズムの正餐
 僕は叫ぶ わら人形の虚無
 僕は叫ぶ 一つ目巨人の到来を

残虐の爪が肉を刻む
自由に生きるなどといっても
自由ではない
たとえば
人を殺す自由は普段奪われている
自分を保存しながら
他人を殺すことは普段は許されていない
それは他人を殺すことは
自分の生存権を否定することでしかない
戦争は普段ではないという定義は
実はロマンティックな夢想のような気がする
普段が戦争から独立したメルヘンとでもいうのだろうか
普段と戦争は同居人だろう
それは、戦争を特別化して
異化することによって
特別区を構築するものだと思う
同居人を違った法律では裁けない
19世紀の初めに
ハーグ陸戦法規によって
戦争ゲームの規約ができた
戦争を日常から異化したことによって
そして、反則技を決めたことによって
20世紀は戦争の世紀になった
反則ぎりぎりの攻撃は許され
それは温床化した
殺戮・虐殺・人間の死の山は築かれた
血へど・肉片・焦げた臭い
地獄の封印の記録
特区を設けたとき
人間の欲望の暴走は始まる
残虐の爪が肉を刻み
残酷の嘴が肉を啄ばむ

耳孔
頬を濡らす涙は
垂直に落下し
それは耳孔にすいこまれる
ボクは舌で掬い上げる
薄暗闇の
一時の
なれあい

酒精中毒者の夜
酒精中毒者の夜は
月と同胞に乾杯す
温泉宿の茂吉の碑
露天で月光に陰茎をさらす
情交のとなり部屋のせせらぎに
そっと壁に耳をあてる
幽玄の竹林の奥で
幻影の蛍は舞いおちる

新のつく駅
  新がついた駅に思いではない
  それは新しいから
  思い出がないわけでなく
  素通りするから
  多くの人が
  新で降りて
  新で出発する
  しかし、そこは
  始まりでもなく終わりでもない
  閉鎖空間の見えない
  鎖でつながれた
  自分の顔が
  新のつく駅の手前の
  トンネルで列車の窓に浮かんだ

自転車吐息
 昨日続き、園子温監督の作品を観た。
 【自転車吐息】であった。青春映画であった。まったくの青春映画でありながら、構造がわからなかった。しかし、構造がわかる必要はない。遠い1塁、さらに遠い2塁、もっと遠い3塁。俺の旗。
 僕が撮った【東京ゴスペル】の不幸の公園のロケット型のすべり台そっくりの頂点に俺の旗。
 映画好きの高校生が、撮った映画。透明人間の群・群・群。僕の住所はあるが、居場所はない。
 執着の生まれた土地、育った土地、父、母、祖父、祖母、地縁・血縁。僕の住所はあるが、居場所はない。それは寺山の生き証人にほかならない。
 1塁方向の白線の先は、導かれし海の中。僕の住所はあるが、居場所はない。最後も寺山。雑踏の終焉。
 僕の住所はあるが、居場所はない。
 僕の住所はあるが、居場所はない。
 僕の住所はあるが、居場所はない。
 記号はあるが実態はない。
 吐息は生きた空気の放出。
 俺の旗。

シャガール
美意識の獲得には
愛する者の喪失

戦禍が
深く作用する
さらにこれらは両立する
シャガールをみて思った

ジャンプ
めっそうもございません
めっそうもございません
そうでしょう
そうでしょう
バリカンが頭皮にくい込み
痛い
バリバリ痛い
クスクス笑い
栄養ドリンク
ヤクルトお姉さん
バイクの調子はどうですか
もたれあい
かさなりあい
膝付きあわせて
セッセッセ
サイバーパンクの電脳印
流してみればあばら骨
ポッキンとソソンショウ
ノミのジャンプを月面で見たい

シルシ
シルシは生きるためでなく
死ぬためにつけている
毎日のシルシは積み重ねられ
記号になる
記号は分類され
整理される
それは繰り返され
大きくなるが
それだけのことである
シルシは読み解かぬままに
捨てられる
処分場は満杯になることはない
紙をくわえた死霊とともに
天空に蒸留するからである

将来
 「あなたのためです」
  という言葉には要注意
 「将来がありますから」
  なんて言われたくない
 僕は僕ですから
 勝手に僕の将来に優劣をつけないでください
  

人生ドットコム
みなさんようこそ
僕の zinsei.com へ
ここでは皆さまの全ての人生の悩みに応えるべき
コンテンツを満載
・お悩み相談
一流の人生相談の先生が全ての悩みを
バッサ・バッサの快刀乱麻
・交流
人気の交流コーナーは
出会いのモロキュウ
人生の華
自らの人生に多彩な演出を
・掲示板
楽しむための掲示板
あなたの一言が明らかに
あなたの人生を変えてきます
・成功の秘訣
様々業界の成功者の
秘話を満載
特別相談コーナーもあります
・幸福
モア幸福へのステップアップ
幸せの道がひらけます
・不幸
不幸に喘ぐ者の実戦例を紹介
あなたの反面教師に御利用下さい
・天国
天国へ行くための
階段の登り方を指南します
・地獄
あなたの周りのハエどもに
鉄槌
すべて、有料コンテンツ
1日お試しコースもあります
あなたの人生を変えるzinsei.com
きっと、ばら色の人生がひらけます
入り口はどこにあるか?
そうだった
そのこと書いておかないと
それはキミの
欲望・嫉妬・小心
の中にあるよ
さあ 入り口を探してくれたまえ
僕は 人生ドットコム で待っています

SEX
 勝新太郎が飛行機の搭乗申込用紙のSEXの欄に「週3回」と書いたとサンマが言っていたが、真偽はわからない。僕は、今まで、週3回というような生活をしたことがなく、週3回というペース配分がどのようなものかも想像できない。つまり、やりまくる時はやりまくる。(うーーん。そんなものも、なかったかも)しかし、しないとなると、まったくしないのだ。21世紀になって、SEXやってないぞ!なんて、叫んでも、バカだろうしね。
 中学の頃はSEXという言葉だけで、なんだかドキドキしたことがあった。北欧はかってはフリーセックスの国だと聞き、街中で、やり放題なんだろうかとバカな想像もした。僕も北欧へ行けば、一生やりまくりの生活ができるのだろうかと思ったりした。
 アマゾネスという映画があったよね。記憶によれば、だけど。美女のグラマラス軍団が暴れまくる映画。あんな中に男一人が、放り込まれたらどうしようかなと、またまた、バカな想像をする。マル秘大奥物語なんかは、殿様がやりまくり三昧で、世継ぎをつくる大切な仕事に邁進してました。
 男という生き物は、多くの女性と浅く広くSEXするのが本業でしょうか。いやいや、僕はそれが苦手で、それでも、相手がいなけりゃ、空白の期間がのびるだけです。それもいいかと、ぼんやり過ごしています。考えてみれば、もうすぐ「2001年宇宙の旅」の年も終わるんですね。

青春
むさくるしい部屋に君
北風が窓から吹き込んで
寒い
ありきたりの言葉
どうしようもない欲望
君の匂い
明日が来ることも忘れて
君がいればそれで幸せ
青春
らく印のように
僕の背中に文字が刻まれた
キャベツを切りながら
君は言った
甘いのが好き
フライパンは一つ
味塩の料理
夕暮が早く
夜明けが遅い
自転車がすべて
貧しいけど豊か
材料は忘れちゃった
青春
君のすべてが君で
僕のすべてが僕だった
ロウソクの火が贅沢で
コーヒーたてて
厚切りの食パンにバター
明日が来ることも忘れて
君がいればそれで幸せ
青春
らく印のように
僕の背中に文字が刻まれた
君のすべてが君で
僕のすべてが僕だった

戦闘的カナリア
戦闘的カナリアは血を吐きながら街宣する
邪悪な雲が村を町を山を海を覆う
かすかな希望じみた光が射す

そうしてみたい
不感症処女の鉄仮面に
声を出させて感じさせたいなどと
妄想もいいかげんで
ふさぎ込んだ公衆トイレ前の
無花果の樹の影を
悪魔模様に切り取って
ニホンバレの空をバックに
透かしてみたい
白地に赤く処女証明は
疑惑の凶器の井戸に石を包んで
狂言騒動もいい加減で
バカを装い風俗街の入口で
境界の無い僕の影を
天使の羽根型に切り取って
地獄行きの赤い月をバックに
燃やしてみたい

即死
 ビルから即死
 電車で即死
 薬で即死
 電気で即死
 縄で即死
 ギロチンで即死
 戦争で即死
 平和で即死
 愛で即死

ゾンビ顔の女
死にたいけど死ねません
現実だけど非現実
私が窓際に置き忘れた手首
恋人を呼びます
冥土から呼び覚ます
遊廓跡の広場はコイン駐車場
ゴムトビのゴムがお股にかかった
ゴシゴシと擦れ合って
「気持ちいい」
「あぁ・・・気持ちいいよ」
水揚は汗臭いヒゲ面労働者で
節くれ立った手が乳房を鷲掴む
天井板の節目模様を見ていたの
あれは故郷の島の形に似ていたの
政夫さんはどうしてる
ゾンビ顔の女は苦痛も快楽も
しとしと雨に流してしまう
木蓮の花が雨に打たれて黄色くなった
落ちて腐れて舌噛んで
カランコロンと死にたいの
ケラケラ顔で死にたいの

top

home page


ダイブ
 山からダイブ
 雲からダイブ
 ビルからダイブ
 谷からダイブ
 飛行機からダイブ
 ロケットからダイブ
 夢からダイブ

対流説
1丁目3番地17号
マントル対流によって
地面に裂け目が発生し
ここから北側はユーラシア大陸へ
ここから南側はオセアニア大陸へ
僕は大事なサボテンを地植えしていたが
その裂け目の中に顛落しそうで
僕は棘ごと抱えて
引き抜いた
その拍子に
サボテンの夢が僕に同化して
メキシコシティーの
仮面レスラーが
日本では万引きしても
銃がないから
幸せだよと
トゲトゲしい
ナマメカしい
カラカラ笑う
氷の詩は
お洒落居酒屋のジャズ風お好み焼き
ゲソゲソしい
そう
僕はマントル対流の餌食になる
核兵器を小惑星に向けて撃て
撃ちまくれ
1発くらいは当るだろう
マントル対流の自縛霊は
さんざん苦労の
泣きの涙の
風船男
ああ
飛びたい
ああ
潜りたい
ガスガスの
そうそう日本全国
プロパン巡りの
プロパガンダの
提灯持ちの
バズーカ砲で
飛びたい
日和見の
カナヅチの
タイヤ浮輪の
舶来かぶれの
ポマード男を抱きしめて
潜りたい

断崖
猫またぎ
セメント
日干しの
アナアキ目玉
精子の遊泳
太陽の磁場
紫外線
眼底苦痛
ポリゴン生物
ゆらぎの山
人口サボテン
外耳炎の季節
花粉症の
脳味噌
人工授精の
免疫育ち
ボクの前にキミ
キミの前に断崖

タンポポ
 公園のタンポポは踏みつけられながらも
 生きていた
 公園の両方に設置された携帯スピーカーから
 不当な政治情勢の報告
 腰痛の僕は立つこともままならず
 ベンチに腰を降ろす
 足下をぼんやりながめ
 タンポポを発見
 デジカメで撮る
 戦後はすでに50年が過ぎ
 時は何を重ねてきたのだろうか
 テロ撲滅のための艦船が昨日出港した
 この街は
 思いのほか静かで
 あどけさの残る海上自衛隊員が談笑する
 踏みつけられても
 生きるタンポポ
 公園の片隅で
 腰痛がなければ
 気づかない
 タンポポ

月に雁
海老沢君を最近見かけないから
心配していると
多分 海老沢君もボクがどうしているのか
考えていると思うと可笑しくなった
ところで、海老沢君に
5000円貸していたように思うが
実際は、ボクは10000円借りていたから
プラマイの5000円返さなくちゃ
バイトの金が週末入るから
電話でもして 一緒に飲むか
それで、あっ
携帯洗濯して海老沢の番号なんだっけ
内野が海老沢の番号知っているから
明日 会うから聞いておくか
まあ 内野に電話して済むことだけど
一人暮らしじゃカレーつくらないし
鍋でたっぷりカレーつくりたいな
そうそう 内野の彼女と友達
ボクの部屋に呼ぼう
・・・・・
「ウチノだろ」
「明日さ、ウチに来ない」
「オマエのさー、カノジョとユージン呼んで
 みんなでカレー食べようぜ」
極楽通りの中華料理屋の
看板娘のパンティーラインが
くっきり見えてる
欲望の肉棒のカレーまみれの
小奇麗な大学院生の
趣味は切手集めで
月に雁が光ってる

月夜
 月夜に僕たちは作戦を立てた
 日本一広い干潟で月を観ることを
 ラジカセに二股のヘッドホーンプラグに
 ヘッドホーンを二つ持っていき
 僕の運転のホンダの軽は
 5段変速で
 長い一本道を
 アクセルは床まで踏みぱっなしで
 干拓の堤防の上で
 ヘッドホーンつけて
 上を向いて寝て
 月を眺めて
 話もせずに
 白い月夜は
 どこまでも続き
 それは、2年後の決別を
 暗示することなく
 彼と僕を包んでいた

土の匂い
土の匂いが好きさ
草の匂いもね
僕らは最後には
土に戻るんだ
雨が降る
土にしみ込む
百万分の1に薄められても
僕らは存在するよ
他のすべての物と
ブレンドされながら
永遠の一部とともに
ぽっかりと
生まれてくることを
手まり歌がとぎれても
僕は
信じるよ

どうしようもないわたしが歩いてゐる
漂白の乞食坊主の山頭火の句集「草木塔」から、気になった3つの句
    炎天をいただいて乞ひ歩く
    どうしようもないわたしが歩いてゐる
    酔うてこほろぎと寝てゐたよ
    炎天をいただいて乞ひ歩く
 夏の盛りに、太陽がぎらぎらと照りつける中を、物を乞う自分の姿を読んだのでしょう。しかし、これは、それだけではないような気がします。過酷な状況の中で、自分は人のあまり物を少しだけ分けてもらって生きていく。少しも、生産的ではない。これは、他の人の生産にたよっている。昭和の初期の時代でもすでに、資本主義が世界を覆い、非生産的なものを下に観ることはあったと思います。その中で、あえて、物乞いと自然の中に自分を置くことで、自分と社会を正直に見つめたのでしょう。
    どうしようもないわたしが歩いてゐる
 これも、上の句に似た面があります。しかし、さらに自分を「どうしようもない」と表現していることが、この句の意味深い点のような気がします。「どうしようもないわたし」とは、物乞いをする自分の客観的な表現なのかそれとも、物乞いをもってしても、自分が到達しえないことを怨んでいるのか。僕は後者のような気がします。
    酔うてこほろぎと寝てゐたよ
 酔っぱらって、草の上か、軒下にでも寝ていたのでしょう。ふと気付くと、かたわらにこうろぎがいました。こうろぎという小さな昆虫が、自分のかたわらにいたという驚きと発見。そして、共に今の時間を存在するという喜びが感じとれます。

どうぞ
お食べ下さい
たいしたものでは
ありません
ボクの夢の
薫製です

逃避の世界
 走って逃げても追いつかれ
 泳いで逃げても流される
 物陰に隠れ
 カモフラージュ
 サーチライトで照らされる
 逃げて逃げて逃げて
  逃避の世界
 暗いトンネルのその奥や
 地底深く潜っても
 息を殺して
 ひそんでいても
 あぶりだされれる
 逃げて逃げて逃げて
  逃避の世界
 明日のことを考えても
 夢の尻尾を追いかけても
 酒と女に
 狂っても
 現実が僕を追いつめる
 逃げて逃げて逃げて
  逃避の世界
 逃げても逃げても追いつかれ
 苦し紛れに
 舌を出す
 俺の仕事は逃亡者
 俺の仕事は逃げること
 逃げて逃げて逃げて
  逃避の世界
 逃げて逃げて逃げて
  逃避の世界

ドッペルゲンガー
鳥葬の神は僕に振り向かず
ドッペルゲンガーな僕の二重奏
アーリマンのいざない
不実に締盟する影法師

top

home page



「ない」
僕には愛がない
僕は親への愛はない
僕は子への愛はない
僕は兄妹への愛もない
僕には愛がない
僕には血縁への愛はない
僕には隣人への愛もない
僕には愛がない
僕には憎しみはない
僕は親への憎しみはない
僕は子への憎しみはない
僕は兄妹への憎しみもない
僕には憎しみがない
僕には血縁への憎しみはない
僕には隣人への憎しみもない
僕には憎しみがない
僕には愛憎がない
僕には憎しむほどの愛もなく
僕には愛するほどの憎しみもない

夏の記憶
 こんなに暑い日に
 ワーゲンの三角窓から
 蒸せた風が僕らを包む
 君は白のワンピースで
 僕は黒のTシャツで
 素足が僕を欲情させた
 ボロボロのワーゲンは
 ボロボロの愛を運んで
 砂浜で止まった
 海と空を分ける水平線は
 かげろうでゆらめいて
 ラップする
 寒い夜に
 ふと
 夏の記憶が甦った

生身
鷲掴みの心臓が
バットの上で
不随意に呼吸している
僕はレバ刺しを食べ
恍惚の時のゆらぎ
マシュマロを血に浸す

泪歌
怨念尽きし脆弱の身に
夜鷹の生業は
汲み置きし水の漏れるがごとく
命 染渡り
蝋燭の火の翳りのごとく
心 揺れ動く
外道の胸にさえ温もりを感じ
悦楽の境地の果てに
心ならずも泪を漏らす
風よ 流せよ泪歌
温もり奪えや泪歌

ネットクラゲ
ネットクラゲな僕は
ネットの海をただよいます
浜に打ち上げられるか
磯にくだかれるか
海亀に喰われるまで
ただよいます
ただよいながら
ときどき毒をふりまきます
その毒に自分がやられるときもあります
それも仕方のないことだと思っています
仕方なくただよい
流れていきます

ノコギリギター
 画用紙は丸められた
 水彩画が描いてある
 赤、青、黒、黄、ピンク
 色彩が洪水になる
 詩を朗読する
 自分から決別するように
 詩を読む
 ギターにノコギリをあて
 ギターをたたく
 ギターは
 ギコギコガリガリギリギリ
 ノコギリギターは続く
 ギコギコガリガリギリギリ
 ノコギリが現実を刻む
 ギュルギュルギャリギャリ
 ノコギリが夢を砕く
 ギョレギョレグリャグリャ
 ノコギリが悲しみを増幅させる
 ギュロギュロギャラギャラ
 ノコギリが怨念を燃え上がらせる
 ガリャガリャギジョギジョ
 ノコギリとギターは巻き付きながら
 地獄に堕ちた
   N.N 氏に

ノスタルジア
 モスクワからやってきた詩人アンドレイ・ゴルチャコフは、通訳のエウジェニアとともにイタリアを放浪する。それは、18世紀に故国ロシアにもどれば奴隷の身におちると知りながらイタリアを流浪した音楽家のバーヴェル・サスノフスキーの足跡をたどり伝記を書くためのものであった。
 アンドレイは旅の途中の温泉で、世紀末から家族を救うために7年間も家に閉じこめた詩人のドメニコと出会う。すでにドメニコのもとには家族はいない。ドメニコは自分を家族だけを救おうとしたエゴイストだと軽べつする。
 アンドレイはドメニコから温泉を蝋燭に火をつけて渡る秘義をおこなうことを約束させられる。そのころ、アンドレイはエウジェニアから「偽善者」と罵られて、彼女は彼の元を去ってしまう。
 ドメニコは世界を救うためにローマへ出掛ける。そうして・・・。アンドレイはドメニコとの約束を果たそうとする。
 「ノスタルジア」はそのような物語である。アンドレイとドメニコの共通性とロシアへのノスタルジアと家族へのノスタルジア。それは、もっといえば幻想と郷愁の入り交じった。空虚な存在としての自分を解き明かすこと。存在の空虚さは蝋燭を心の内にともすことで、光が満ちあふれるのか。

ノート1
僕はメッセージを出しているのか
メッセージは何に基づくものか
メッセージのためにどのような方法論を用意しているのか
用意していないのか
メッセージは誰に発するのか
メッセージは届くのか
メッセージの意味はあるのか
あるとしたらどのような意味なのか
メッセージは有効か
メッセージは真実か
メッセージは思いつきか
メッセージが誤解をうむのか
猫が車の下で寝ていた
僕は猫の頬をなでた
ここで言いたい僕のメッセージは伝わったのか
伝わっていないならその原因は何か
メッセージを自分に向けているということは
どいうことか
メッセージは有効期間はあるのか
僕はメッセージを出しているのか

top

home page



π
  
乾π
  安全π
  おっπ
  いっπ
  π圧
  π色
  π因
  π泳
  πエナ
  π炎
  πオクタン
  πオニア
  π句
  πナップル

廃虚ドットコム
そこは廃虚
人間魚雷
そこは廃虚
ネットの墓標
そこは廃虚
快楽ゾンビ
そこは廃虚
魂の徘徊
そこは廃虚
ネット娯楽
そこは廃虚
知人の死
廃虚でビデオ
オランウータンの
奇跡の術
血みどろ音階の残響

発音
  嫌な発音で
  あいつは
  ヴェリーグッドという

パセリ・コスモス
パセリ好きのローズマリーは
セロリ好きのクライアントを
34階ベランダから突き落とし
起死回生のホームランボール
サド・マゾ好きの大金持ちが
拷問道具フルセット廃棄処分
カラカラカラの空回りの風車
現職死亡の右上がり家庭崩壊
ビルの倒壊跡地は平和祈念碑
会社は倒産家族は先祖供養碑
僕は倒立のアナアキポケット
ガサ入れ情報心筋梗塞の梅雨
むさ苦しい4畳半油絵セット
携帯マナーのアバンギャルド
死に逝く道狂い咲きコスモス

パック詰め
 昨日は豚を食べました
 今日はトリを食べます
 明日は牛を食べます
 肉はキレイに切り分けられて
 パック詰め
 でも、幸せはパックに詰められていません
 あしからず

パン
パンを二人で
分けあって
食すなり

バンド ジンセイ
ガタゴト バスで 知らない街へ
ユラユラ ゆられて やって来た
ドカドカ バンドは ビールを飲んで
バカバカしい歌 うたってさわぐ
女をつれこんでも
あたまにゃ サウンド
マスターに追いだされ
路地裏で自分を占う
明日は明日
昨日は昨日
西を向いて南へ向かう
それが オイラさ ドカドカ バンドさ
それが オイラさ ドカドカ バンドさ
女に逃げられても
あたまにゃ サウンド
借金取りに追われても
砂浜でデカ文字書く
明日は明日
昨日は昨日
東を向いて北へ向かう
それが オイラさ ドカドカ バンドさ
それが オイラさ ドカドカ バンドさ
それが バンド ジンセイさ

秘訣
 今日の豚のショウガ焼きは
 ちょっと違うね
 そうでしょう
 林檎ジュースに
 漬けました

一重づゝ一重つゝ散れ八重櫻
正岡子規の句に次のようなものがあります。
 寒山落木 卷一
 正岡子規
 明治十九年
一重づゝ一重つゝ散れ八重櫻
子規は、重い病に苦しみながら、俳諧に生きました。この句の八重桜の花弁が1枚ずつ落ちていく様が、自分の命が1枚ずつはがされるように、短くなることに通じるようです。

武器商人
 武器を売って生活しています
 けっこう、金になります
 僕が売った武器で人がばんばん死んでいます
 それでも、僕は武器を売ります
 なぜなら
 僕は武器商人なんです
 武器を作ってもストックするだけでは
 無駄なんです
 それでも、時々
 僕が売った武器で人が死んでいくと思うと
 吐き気がするんです
 それでも
 武器売っています
 けっこう、金になるから
 女遊びや博打につかいます
 もちろん酒飲んだりもします
 人の命と引き換えのお金で
 僕は生活し遊んでいます
 えっ 何ですか
 女房・子どもが
 僕の売った武器で殺されたら
 どうするかって・・・
 僕にはいないんだけど
 多分、ずっと
 武器商人続けます
 なぜって
 それが僕の天職なんです

双子の映画
 「惑星ソラリス」と「ノスタルジア」は双子の映画のような感覚があります。監督が亡命して、宇宙を舞台に設定しなくとも地球上にそれを移したような感じです。
 「惑星ソラリス」では、宇宙ステーションという特殊な環境で、ソラリスの海から投射されるものが、地球へのノスタルジーであったり、亡き妻の甦りであったり、意識が物質化することで深層心理があばかれることであったり、過去への贖罪であったり、それらが異常でなく日常の一風景となりとけこむような感じがしました。
 僕らの(あえて僕ら)経験の総体は、或るときは忘れ去られ、また、刻み込まれ、また、特殊な記憶の一部として格納されるのかもしれません。ソラリスの海はその記憶の一部を突然、現実に表出させます。まえぶれもなく、部屋の扉を開け、何事もなく、現実に侵入しつながります。
 ノスタルジアでは、ソラリスの海の機能をドミニコがはたしていたように思います。ドミニコという生き方が主人公の学者を突き動かしたように。蝋燭の儀式は、はなから信じていないが、イタリアを発つ日を延期してまで実行する。
 その儀式によって引き起こされる最後の奇蹟は、主人公の個人的な体験ながら感動を覚えます。同時に、これは、観るも全てが共通するノスタルジアの根源としての魂の共感に基づくものでしょうか。
 それは、存在という確信と不安の入り交じった生活の中のゆらぎに、蜘蛛の糸が垂らされたような感じがしました。書き込みありがとうございました。

+-
君の微笑みに加点
君の涙に減点
ボクの笑いに減点
ボクのハナミズに加点

分身
葬列の後ろに
無表情の人がいた
それは
僕の分身でした

変身
僕が鳥になり地面を這い回り
僕が魚になり空を急降下する
僕は貝になり口から泡とばし
僕は蜘蛛になり海と川を泳ぐ
変身した僕はそれとは不釣り合いに動き
変身前の僕を懐かしむ
それでも 引き返すことのできない僕は
変身後の僕を恨む

亡霊山脈
「亡霊山脈」
国境にそびえる山脈は険しく見える
それでいて平坦で
思いの外 征服は簡単だった。
僕は使い捨てカメラで景色を撮る。
その時
僕は知ったのさ
眼下には兵隊アリの死骸が
無数の小山をつくっていたこと
そうさ   僕らは亡霊
そうなんだ 僕らは亡霊
亡霊山脈なんだ
亡霊まみれの山脈であること
亡霊山脈
ラララ亡霊
ラララ亡霊
亡霊山脈さ

ボクタチハミタ
夢の中で
僕たちは
映画観た

top

home page



まどろむ
まどろむ
何やら好きな感じ。
国語的には「ま(目)とろむ」で、「とろむ」は「とろける(蕩)」「とろめく(蕩)」
だそう。
目がとろんととろける感じで、
とろとろとろけて
まどろんで
とろとろとろけて
まなまなまなけて
ふんわりふわふわ
まどろんで
とろとろとろけて
まどろんで
ゆらゆらゆらんで
ふらふらふらけて
まなまなまなけて
ふんわりふわふわ
まどろんで
これって続く?
まどろみたいな
まどろみながら死にたいな

無限階段
目の前に無限階段
階段に一歩足をかける
子どもの頃
あの山の向こうは
何があるのだろうかと
不思議だった
そこで、あの山を登って
山の向こうを眺めた
やっぱり
同じような山が続き
その山の向こうは
何だろうかと考えた

その山は崩され
平地になり
バイパスが通り
ビルが建ち
人が生活し
うごめいている
不思議と神秘の
境界線で
人が生活している

難しい

キミがキミであることは
僕が僕であることよりも
難しいのだろうか


輝く
目をキミは
まだ持つ

モウパラ
 げっそり痩せた筋肉美女は
 ミミズと同居を拒否をして
 南の島の洞窟暮らし
 真赤な空をバックにキミは
 ビキニの水着で断崖ダイブ
 浮かび上がってカモメに説教
 さらさらさが好きで
 じとじとが嫌い
 きゃぴきゃぴが好きで
 むらむらが嫌い
 ギュウギュウ詰めの豚たちは
 トラック荷台でこちらに尻見せ
 びりびりの糞をする
 最低の季節に
 最高の気分
 今日も朝から
 ウイスキーを
 ラッパ飲み
 がさがさ肌のシミだらけ
 垂れ乳女の誘惑は
 南の島の夜にこだまする
 穴があったら入りたい
 ミスがあったらあやまりたい
 正義があったらひれ伏して
 こっそり悪の呪文を唱えたい
 さらさらさが好きで
 じとじとが嫌い
 きゃぴきゃぴが好きで
 むらむらが嫌い
 最低の季節に
 最高の気分
 今日も朝から
 ウイスキーを
 ラッパ飲み

森の現実
すべての芸術はその文体で書かれている
その文体で書かれた一連の
五行詩は世界の果てまで
僕を連れていく
酩酊しながら さまよい
ちどり足で進む
夜の深さ暗闇の深さではない
その先の不安を乗ぜられながら
僕は森のすべての限りある生命の
ジグソーパズルのかけらを
拾い集めながら彷徨している
この森では幻灯機で投写されたプラズマ生物たちが生息している
意識の奥底に沈殿した記憶のかけらが撹拌され舞い上がり
ふくろうの眼から放射される光線によって
プラズマ生物が浮かび上がる
僕のイメージと写真の二次元表面から浮かびだした
死んだ右衛門が僕の後ろに立っている
生き物のようにふるまうプラズマ生物は意識界の中で
僕の現実の二重構造を境目なく連結させる
「ジュンは生きていて楽しいか」と右衛門が聞く
「じいちゃんはどうだった」
「一番つらかったのは5人の子どものうち、3人が自分より先に死んだことかな」
「僕は最近、ずっと、生きてるって何だろうと考えているのだけど、考えなくても生きているのであれば、考える必要はあるのだろうかと考えています」
「ジュンは、生きることを考えているということは、今、不幸なのか」
「不幸だとは思っていません。しかし、ただただ生きているのです」
「ただただ生きているのでは不満か」
右衛門は少しだけ悲しそうにしながら立ち去った
僕らは現実に生きていると思いながら
同時に異界との交信の接点をONしている
意識のアンテナに受信される沈殿した意識の痕跡は亡霊のように浮かび上がり
不連続性の痕跡を残さない
現実という空間スクリーンに映し出された
精霊たちとの会話は不断に存在する
これが、この森の現実である

top

home page



やさしい
「やさしい」の「い」を
 左はしにもってくると
「いやさし」になります
「さ」と「し」をいれかえると
「いやしさ」になります
「やさしい」という言葉には
「いやしさ」がかくれています

闇夜
 闇夜の闇につつまれて
  自分が独りとおもうとき
 闇夜に明りがほしかった
 闇夜の底でうごめいて
  自分が独りとおもうとき
 闇夜に友がほしかった
 闇夜の径が見えなくて
  自分が独りとおもうとき
 闇夜のガイドがほしかった


夜はどうして来るのか知ってる
実はね
暗黒の太陽が昇るから
君には暗黒の太陽が
見えるかな
僕には見えるよ
暗黒の太陽が
闇を吹き出してるのが


リサという名の女
リサという名の女とは
一度も恋愛をしないだろう
リサという名の女だけでなく
もう二度と恋愛をしないだろう
女に惚けている間に
国は戦場と化し
生殖器のうずきは
戦火の空に消えていった
愛する人のためだと
愛されている人を殺す
愛されている人のためだと
愛する人を殺す
無差別爆弾のすそ野は
アリ地獄の末端の洞穴
タバコを吸いながら
ぶっ放す銃声の快感
恍惚殺人の名誉は
汚らしい紙を染めて
英雄の誕生
リサという名の女のために
人は殺さないだろう
しかし
リサという名の女の気を引くために
人を殺すだろう
愛する人のためだと
愛されている人を殺す
愛されている人のためだと
愛する人を殺す

リンク
机が鉛筆から落ちて
夕陽が昇る
マリリンのあそこの毛
持ち主は逆立ちしてごらん
ビリヤード場横の中華料理屋は
天井裏ののうどん屋よりも不味いから
道路の中央の
「踏み潰されたカメの肉は赤かった」
つぶやく
源泉徴収の紙で表されることは
11桁のマジック数とリンクして
ついでにブラック屋とリンクして
公安とリンクして
売春宿とリンクして
特攻基地とリンクして
葬儀屋とリンクして
靖国とリンクして
見知らぬ南国の島のエロサイトとリンクして
ここが電脳天国と理解した

top

home page



分け入っても分け入っても青い山」
 山頭火の「分け入っても分け入っても青い山」という句があります。
上田敏の「海潮音」という有名な訳詩集があるけど、その中の有名な「山のあなたの空遠く幸い住むと人の言う・・・」という一節があります。「分け入っても分け入っても青い山」を読んだとき、何か、連想ゲームのように思い出されるものがあったのは、多分、「山のあなたの空遠く幸い住むと人の言う・・・」だったんだと今日気付いて、何か胸のもやもやが消えました。
 「分け入っても分け入っても青い山」の僕の解釈
 山を分け入っていく旅は、いつ終わるとなく続くのです。この山を越せば、あの山の後ろにはきっと幸せがあるという淡い期待があります。しかし、この山を越えても、あの山の後ろにも今までの5月の新緑の普通の山が続いてるだけなのでした。

top

home page